木を切るきこりが、斧で大木を切り倒すまでに時間が最もかかっているのは、仕事のどの部分だと思いますか。
「木を切っている時間」と思っていませんか。
意外や意外、木を切っている時間は、案外短いです。
斧で木を打ち始めれば、早く、木を切り倒せます。
実は、一番時間がかかっているのは「仕事に着手するまでの時間」です。
「斧を選ぶ時間」
「斧を磨く時間」
「作業服に着替える時間」
「今日の作業手順について考えている時間」
木を切っている時間より、重い腰を上げる時間のほうが、はるかに時間がかかっています。
仕事で一番時間がかかるのは、しているときではなく、着手するまでの時間です。
どんな仕事でも、誰にとっても、共通です。
重い腰を上げるまでが、一番大変と感じ、時間もかかります。
仕事を減らす工夫というのは、案外単純なことです。
「とにかく仕事に着手すること」です。
つべこべと、難しいことは考えてはいけません。
そういう時間こそ、もったいないです。
とにかく仕事に着手します。
難しいことを考えてから、仕事を始めるのではありません。
難しいことは、仕事中に考えたほうがいい。
そのほうが頭と体が動き始めているため、ストレスは小さくなります。
仕事に着手すれば、スムーズに進み始めます。
気分も調子も乗って進むようになります。
なぜか、やる気や集中力も出てきます。
思ってもみなかったいいアイデアや方法は、仕事の最中でひらめきます。
頭を回転させている途中だからこそ、いい考えもひらめきます。
仕事を始めるまでに時間をかけすぎていないでしょうか。
もちろん絶対に失敗の許されない仕事には、入念に計画をねることは大切です。
人命に関わる仕事や膨大な費用を要する大きな仕事なら、事前の準備には力を入れることが必要です。
しかし、個人で行うような単純な仕事なら、難しく考えなくていい。
とにかく仕事に着手します。
いきなり始めても問題はありません。
むしろ、いきなり始めたほうがいいのです。