「私は絶対にキレません」
自分の心の大きさをアピールする人がいます。
嫌なことやつらいことがあっても、不満を漏らしません。
こういう人は、何の不満もなく、人生は順風満帆という印象を受けます。
しかし、こういう人ほど、ある日、爆発します。
ため込んだストレスを隠して、吐き出してもいないからです。
自殺している人の生活を振り返ると、不満を漏らさず、真面目にしている人がほとんどです。
「不満もなくて、いつも元気そうだったのに……」
よくありません。
隠していただけです。
元気そうだったのではなく、元気なふりをしていました。
追い詰められて死を選ぶくらいなら、不満を口にする癖をつけることです。
思っていることが相手に伝わらないと「不満がない。元気そうだ。問題ない」と誤解されます。
自分のために演じている真面目は、自分で自分をいじめている状態です。
もう少し、自分の正直な気持ちに従ってください。
不満があるなら、不満を口にします。
その気持ちが周りの人に伝わります。
伝われば、多少なりとも改善の方向に向かうでしょう。
どこでも誰にでも口にしてしまうと社会生活に影響が出ますから、心の打ち解けた仲の人や、2人きりのときなど、工夫は必要です。
しかし、やはり「我慢」ではなく「吐き出す」ということを忘れないでください。
人間は弱いから、強くなりました。
弱い者同士が「困っているんだよ」と不満を言い、助け合っているからです。
「私は今、大変なんです」と弱音を吐いている人のほうが、案外、長生きできます。
弱音を口にした時点でストレス発散になり、元気を取り戻しているからです。
普段から、ぶつぶつ不満を口にしているので、ため込まず、きちんと発散されています。
なにより、あなたが心の中で思っている不満が言葉として表現され、ほかの人に伝わります。
伝われば、苦しんでいるあなたを理解でき、助けてもらったり協力を得られたりできるでしょう。
理解されたければ、伝えることです。
隠すのではなく、表現するのです。