外食を楽しむとき、おごってもらうことに注意してください。
もちろんおごってもらうのが悪いわけではありません。
おごってもらってもいいのです。
目上の人からおごってもらうことがあるでしょう。
時には誕生日祝いや達成祝いで、恋人から食事をおごってもらうこともあるはずです。
日常茶飯事のことであり、珍しいことではありません。
おごってもらえば経済的負担がありません。
節約家なら素直にチャンスと感じて、心の中でガッツポーズをするはずです。
もちろんおごってもらうのはいいのですが、本気で外食を楽しむなら、必要最小限にとどめておくことです。
おごってもらうことには弊害があります。
それは「真剣味が低下する」という点です。
おごってもらうとなると「ラッキー」と喜ぶものの、心のどこかで「人のお金だから」と思ってしまいます。
気の緩みが生じて、本気で料理を味わおうとしなくなります。
緊張感が低下すると五感も鈍くなり、きちんと味を感じるのが難しくなります。
その結果、本当に外食を楽しめなくなるのです。
これは無意識のうちに起こります。
本人は普通にしているつもりでも、おごってもらう状況では無意識に起こるため注意が必要です。
本当に外食を楽しむなら、身銭を切るのが一番です。
身銭を切ると経済的な痛みが伴います。
だからこそ本気になります。
身銭を切ると、おのずと真剣な気持ちにならざるを得なくなり、五感が鋭く研ぎ澄まされます。
しっかりお店の雰囲気を感じ取ろうとするでしょう。
料理をいただくとき、ゆっくり味わう食べ方になるでしょう。
一口一口に集中できて、よりおいしくいただけるでしょう。
「おいしければいいな」ではなく「おいしく食べる!」という積極的な姿勢になるでしょう。
料理は、味だけでなく、香りや見た目も一緒に楽しもうとするでしょう。
1回の外食からいろんな感動が得られ、満足度が高まります。
勉強でも、人にお金を出してもらうより身銭を切るほうが吸収しやすくなりますが、同じことです。
外食においても、人にお金を出してもらうより身銭を切るほうが、よりおいしく感じて感動もできます。
たとえ同じ料理でも、感じ方が向上して自分のためになります。
身銭を切るのは経済的に厳しいかもしれませんが、本当に外食を楽しむなら、これほど効果的な方法はありません。
もちろんこれは理想です。
現実では単純にいかない場面もあるでしょう。
相手の厚意でおごられることがあったり、割り勘にしづらい雰囲気があったりするもの。
立場や事情があって、相手の厚意を断れないこともあるはずです。
断ろうにも難しいこともありますが、そうした傾向を頭に入れておいて損はないでしょう。
おごってもらえるとしても、全額を出してもらうより、少額でも出しておくほうがいいでしょう。
本当に外食を楽しみたいなら、おごってもらうより身銭を切るほうがいいのです。