「もう足腰も弱ったから、もっと田舎に引っ越してみようか」
そう考える人も多いのではないでしょうか。
老後を、静かでのどかな田舎で暮らしたいと考えるのも、不思議ではありません。
たしかに田舎のほうが、人も車も少なく、静かに過ごしやすいことでしょう。
美しい自然があり、空気がきれいであることは、なによりの魅力です。
しかし、必ずしも、田舎が年配者に優しいとは限りません。
田舎には、田舎なりのデメリットもあるからです。
たとえば、田舎では、車が必須です。
車を運転できるうちはいいのですが、高齢になって車の運転ができなくなると、移動に苦しみます。
電車もバスも、田舎であるゆえに、本数が限られます。
病院に行こうと思っても、近くに病院がないため、手間も時間もかかるでしょう。
病院に行けたとしても、田舎であるゆえに医療レベルが低く、十分な医療を受けられないこともあります。
買い物をするにしても、近場にスーパーがなければ、不便です。
娯楽にしても、サービスが少ないため、暇つぶしに困ります。
田舎は刺激そのものが少ないため、ぼけの進行を早める可能性もあります。
田舎であるゆえの魅力がある一方、田舎であるゆえの不便もあるのです。
もし老後、引っ越す予定があるなら「田舎しかない」と決め付けず、メリットとデメリットをあわせて考えておきましょう。