執筆者:水口貴博

西洋料理の30の基本テーブルマナー

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奥が深いナプキンをつける理由。

奥が深いナプキンをつける理由。 | 西洋料理の30の基本テーブルマナー

ナプキンには、3つの役割があります。

  1. 衣服を汚さないため

最も基本的なナプキンの理由です。

食事中、ナイフやフォークで口元に運んでいる途中、うっかり膝元に落としてしまう場合があります。

そのとき、身につけている衣服を汚さないよう、ナプキンを膝の上に置きます。

  1. 口元や指先の汚れを拭くため

食事をしていると、口元が汚れたり指先が汚れたりする場合があります。

そうしたとき、適当に手を拭くのではなく、ナプキンの内側で汚れを取ります。

ハンカチやティッシュでもいいのではないかと思いますが、よくありません。

ハンカチはトイレでも使うため、口元の汚れを落とすのには適しません。

また「ナプキンが汚くて使えません」という意味にもなるので、給仕や料理人に対して失礼です。

一方、ティッシュは拭いた後の置き場に困ります。

口元を拭いたティッシュをテーブルの上に散らかすというのは、エレガントではありません。

その点、ナプキンなら、膝元にあるため、拭いた後のやり場に困りません。

指を拭くときも、膝元にあるため、拭いたと気づかれにくくなるのです。

  1. ワインの味を損ねないため

さて、最後に奥が深いと感じたのは、この3つ目の理由です。

欧米では当然の理由ですが、アジアではこの理由は知られていません。

多くの人は、ナプキンは汚れを防いだり取ったりするために使うものと思っているのではないでしょうか。

その理由もありますが、もう1つ、味を損ねないためにも一役買います。

食事をしていると、口元には油がついてしまいます。

油がついた唇で、ワイングラスに口をつけるとどうでしょう。

唇による「飲み跡」がくっきりとついてしまい、品がありませんね。

同時に、油がワインへ移り、ワインの味が損なわれやすくなります。

一度、ナプキンで口元を押さえて油を取ってから、ワインを飲むようにしましょう。

口元の油を取り除くことで、ワインの味を損なわずに飲むことができるのです。

西洋料理の基本テーブルマナー(8)
  • ワインを飲むとき、一度ナプキンで唇を押さえる。
テーブルクロスが長いと、足元の緊張が緩みがちになる。

西洋料理の30の基本テーブルマナー

  1. テーブルマナーは、先人たちの知恵の結集だ。
    すべての動きに意味がある。
  2. テーブルマナーは集中して学んだほうが、身につきやすい。
  3. 欧米テーブルマナーは、面倒くさいようで、慣れてしまえば実は楽。
  4. 自分たちで席を勝手に決めない。
  5. レストランの壁側の席は、上席。
  6. お手洗いで席を外すときのスマートなナプキンの置き方。
  7. ナプキンをつけるタイミングと付け方。
  8. 奥が深いナプキンをつける理由。
  9. テーブルクロスが長いと、足元の緊張が緩みがちになる。
  10. 熱い飲み物を飲むとき、息を吹きかけたりすすったりしないこと。
  11. 「食事中」のサインは、皿の上でカトラリーを「ハの字」に置く。
  12. レストラン内では、携帯電話の電源を切るのがマナー。
    もしくはマナーモードにする。
  13. 食事が出てくるまで待っているときの一番かっこいい姿勢。
  14. 食事が出るまでの間で許されるのは「手帳の確認」と「読書」まで。
  15. 食事が終わり、皿を下げてほしいときのサイン。
  16. 食事中のげっぷ・くしゃみ・おならは、できるだけ控える。
  17. フォーマルなレストランの場合、仲間と料理を分け合うのはマナー違反。
  18. 食事中、友人との会話が盛り上がるのは、実は隣のお客さんの協力があってこそ。
  19. フィンガーボールの水は、指を洗うもの。
  20. ずらりと並んだナイフとフォークは、外側から使えば間違いない。
  21. 落としたナイフやフォークを、自分で拾わない。
  22. ナイフとフォークの使い方をごちゃごちゃにしない。
  23. 音を立てずに食事をするのが、エレガント。
  24. 喫煙が許可されているレストランであろうと、食前・食事中の喫煙は控えること。
  25. どぎつい香水やオーデコロンは、食欲を減退させる。
  26. ご飯を食べるときのフォークの正しい使い方。
  27. 汚い話や下ネタは、レストラン内では控えること。
  28. 食事中に避けるべき、見落としやすい話題とは。
  29. 取りたいものがあっても、人前に手を差し出さないこと。
  30. 食事が終わった後のナプキンのたたみ方。

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