ナプキンには、3つの役割があります。
最も基本的なナプキンの理由です。
食事中、ナイフやフォークで口元に運んでいる途中、うっかり膝元に落としてしまう場合があります。
そのとき、身につけている衣服を汚さないよう、ナプキンを膝の上に置きます。
食事をしていると、口元が汚れたり指先が汚れたりする場合があります。
そうしたとき、適当に手を拭くのではなく、ナプキンの内側で汚れを取ります。
ハンカチやティッシュでもいいのではないかと思いますが、よくありません。
ハンカチはトイレでも使うため、口元の汚れを落とすのには適しません。
また「ナプキンが汚くて使えません」という意味にもなるので、給仕や料理人に対して失礼です。
一方、ティッシュは拭いた後の置き場に困ります。
口元を拭いたティッシュをテーブルの上に散らかすというのは、エレガントではありません。
その点、ナプキンなら、膝元にあるため、拭いた後のやり場に困りません。
指を拭くときも、膝元にあるため、拭いたと気づかれにくくなるのです。
さて、最後に奥が深いと感じたのは、この3つ目の理由です。
欧米では当然の理由ですが、アジアではこの理由は知られていません。
多くの人は、ナプキンは汚れを防いだり取ったりするために使うものと思っているのではないでしょうか。
その理由もありますが、もう1つ、味を損ねないためにも一役買います。
食事をしていると、口元には油がついてしまいます。
油がついた唇で、ワイングラスに口をつけるとどうでしょう。
唇による「飲み跡」がくっきりとついてしまい、品がありませんね。
同時に、油がワインへ移り、ワインの味が損なわれやすくなります。
一度、ナプキンで口元を押さえて油を取ってから、ワインを飲むようにしましょう。
口元の油を取り除くことで、ワインの味を損なわずに飲むことができるのです。