「男は男らしく」
「女は女らしく」
よく聞く一言ですが、おかしいなと思いませんか。
男には女のような人もいれば、女にも男のような人がいます。
無理やりそうしているわけではなく、最初から自然とそういう性格の人です。
にもかかわらず「男は男らしく」「女は女らしく」というのは、型にはめるような言い方です。
「自分の本来の性格を抑えて、世の中の一般的な常識に身を染めなさい」と言わんばかりに聞こえます。
これでは金太郎飴です。
金太郎飴は、どこで切っても同じ顔が出てきます。
男がみんな男らしくなってしまうと均一すぎてしまい、金太郎飴のように、どこを見ても同じような顔になってしまいます。
男がみな男らしくなり、女がみな女らしくなっては、金太郎飴のようにどこで切っても同じ顔が出てくるようになります。
そこには魅力も個性も感じられません。
一般化されているだけのことであって、素晴らしい個性というわけではありません。
男は男らしくなる努力をする必要はありません。
それより、もっと自分が自分らしくなる努力をするほうが大切です。
自分にだけは、初めから完璧になることができています。
女のような男が、無理をして男らしくなったところで、本人の自然な姿に反しているのでうまくいかないことでしょう。
また男らしい女も、無理をして女らしくしたところで、本人の自然な姿に反しているため、これもうまくいかない。
個性を前に出して突き詰めるほうが、本当の魅力が出ます。
世界で1つだけである自分を、もっと深めるのです。
当然オタクになったり、一般とはかけ離れたりすることになってしまうでしょう。
変人扱いされるかもしれない。
しかし、自分を突き詰めた結果なら、ほとんどの人が「おかしい」と思っても、そのよさを理解してくれる人が必ずいます。
自分を突き詰めた結果が、その人の本当の魅力になります。
ハリウッドスターの1人であるジャッキー・チェンは、成功した理由を「個性を貫いたから」と言っています。
ジャッキー・チェンは、アジア人です。
それまでハリウッドスターと言えば、欧米人で身長が高く、ルックスの良い人物とされていました。
彼は、体格も顔つきもまったく異なっていますから、ほかの俳優のように演じようとしませんでした。
それは自分には合わないからです。
顔も形も体格も育ちも全然違うため、同じようにしようとしても初めからできるわけがないのです。
しかし、相手にとっても同じです。
アジア人であるジャッキー・チェンは、欧米人が真似をしようとしてもできないことです。
顔も形も体格も全然違うからです。
ジャッキーは、自分だけの特徴を前に出して自分を貫こうとした結果、成功できました。
ほかの人の真似をして成功するのではなく、自分だけの特徴をアピールして、徹底的に生かした。
自分がほかの誰かになろうとしても、実はそれは初めから不可能なことです。
自分は自分以外の誰でもないからです。
にもかかわらず、世の中には自分以外の人になろうとする人がなんと多いことでしょう。
アイドルが着ていた服を真似して着たり、流行や最先端を追いかけたりすることに一生懸命になっています。
しかし、考えてみましょう。
自分にとっての最先端は、自分を突き詰めた結果あるものです。
流行を追いかけた最先端は、他人がよいと評価するものに振り回されているだけで、自分がよいと感じているわけではありません。
他人の評価を追いかけているだけです。
他人の好き嫌いを基準に生きるのか、それとも自分の好き嫌いを基準に生きるのか、ということです。
自分にとっての本当の最先端は、個性を突き詰めた先にあります。
雑誌やテレビの中にあるわけではなく、自分の中にあるのです。
その「自分だけの魅力」に気づき、深めていきましょう。
ジャッキー・チェンが成功したように、自分だけのオリジナルの魅力を出せます。
みんなと同じでは、金太郎飴です。
世の中は、みな金太郎飴になることがよいと思っているようです。