出世の近道として誤解されやすいのが「スタンドプレー」です。
スタンドプレーとは、人目や評判を意識した、派手な行為のことをいいます。
スタンドプレーで目立てば、社内の注目を集めることができ、評価アップを期待するかもしれません。
たしかに野球やバスケットボールでは、派手なスタンドプレーによって観客から拍手喝采を浴びるシーンがあります。
「素晴らしいプレーだ!」「この人はすごい!」となって興奮の渦が巻き起こります。
見事なプレーによってスコアにつながれば特別目立つ存在となり、観客の記憶に強烈な印象がしっかり刻まれるでしょう。
スターのような存在となり、翌日の紙面を賑わすことになるでしょう。
こうしたイメージから、職場でも派手なスタンドプレーで目立てば、人目を引いて評価も上がると思う人がいます。
ここに落とし穴があります。
たしかに人目を集めることはできますが、出世の近道になるかは疑問です。
目立った成果を出せても、一度限りであれば不十分です。
「実力」ではなく「運がよかっただけ」と理解され、高い評価を得るのは難しいでしょう。
出世に必要なことは「一時的な成果」ではなく「継続的な成果」です。
一度限りの大きな成果より、平均的な成果でいいので継続して出せるほうが重要です。
またスタンドプレーをしようとすると、個人プレーになる傾向も強くなります。
職場でスタンドプレーに走ると「自分、自分」という状態になります。
周りを無視した自己中心的な振る舞いが目立てば、周りから「身勝手で目立ちたがり屋」というレッテルを貼られるでしょう。
派手に成果を出せても、周りを無視した振る舞いが目立つようでは、上司から高い評価を得るのは難しくなります。
周りから反感を持たれると社内で孤立した存在になり、ますます出世の足かせとなります。
成果を出したプラスの評価より、身勝手でチームを大切にしないマイナス評価のほうが高くなります。
「印象づけたい」「注目を集めたい」と思うのはいいのですが、だからといってスタンドプレーに走るのは要注意です。
出世の近道と思ってスタンドプレーに走ると、近道どころか回り道となるのがオチです。
出世にスタンドプレーは必要ありません。
出世に必要なのは、スタンドプレーではなくチームプレーです。
周りと協力し合いながら仕事を進めることが、実は最も目立って評価も高くなります。