人付き合いでは、謙遜が大事といわれています。
がつがつ出しゃばって威張るより控えめで慎ましく振る舞ったほうが上品に映ります。
横柄な人より謙虚な人のほうが好印象で人から好かれるのは言うまでもないことでしょう。
しかし、謙遜が大事とはいえ、過度になると話が変わります。
謙遜も、過度になるのはよくありません。
過度の謙遜は、相手に不快感を与える原因になるからです。
「素晴らしいですね」と褒められたとき「素晴らしくも何ともありません」と言う。
「仕事が速いですね」と言われたとき「そんなの嘘です。少しも速くありません。」と言う。
「字がきれいですね」と褒められたとき「全然きれいじゃありません。下手くそな字で嫌になります」と言う。
「成功、おめでとう」と祝ってもらったとき「ばかなこと言わないでください。成功でも何でもありません」と突っぱねる。
心当たりがあれば要注意です。
これらはどれも「過度の謙遜」です。
控えめに振る舞ってはいるものの、すっきりしない印象があります。
相手は「褒めているのに何だかな」と、もやもやした気持ちになるでしょう。
「これでもか」というほど露骨な謙遜は、かえって品位を下げてしまいます。
謙遜も、過度になると、もはや否定になります。
自分の発言を否定されると、誰でも気分がよくありません。
相手に「ノー」を突きつけるため、ストレスを与え、不快感につながります。
また、過度に謙遜すると、自信のない様子も出てしまいます。
遠慮ばかりしている様子は「私は自分に自信がありません」と言っているようなもの。
弱々しく、頼りなく、自己肯定感が低い印象を与えます。
謙遜がエスカレートすると、悪印象につながりかねないのです。
謙遜は「ほどほど」が大切です。
褒められたら、素直に「ありがとうございます」と言うことを心がけましょう。
認められたら、素直に「嬉しいです」と喜びを表現するようにしましょう。
過度の謙遜が口癖になっている人は注意してください。
口癖になっているなら、早めに改善を心がけるのが得策です。
謙遜するなら、いったん感謝してからにするのがスマートです。
たとえば「仕事が速いですね」と褒められたとします。
「ありがとうございます。でも、まだ改善できるところがありそうです」
いったん相手の言葉を受け入れてから謙遜すれば、自然に聞こえます。
またあるとき、仕事の成功を称賛されたとします。
「ありがとうございます。でも、少し運がよかっただけです」
運のおかげということにすれば、嫌みがなく、スマートに聞こえるでしょう。
上品な謙遜になるのです。