大人であるほど、傷ついたことのある経験回数も当然増えます。
傷ついた経験が増えると、余計に人付き合いが嫌になりそうですが、実際は逆です。
どんどん人付き合いがうまくなります。
傷ついた経験がある人は、その「痛み」を理解することができるようになるからです。
傷ついた人ほど、人の気持ちを理解でき、結果として優しく接することができるのです。
傷ついた経験があるほど、ほかの人の話を心から共感して話を聞くことができるようになります。
人間は年を取るにつれて、涙もろくなると言われます。
実際私も、最近とても涙もろくなってしまいました。
この涙もろくなる理由は、それだけ人の気持ちがわかるようになった証拠なのです。
さまざまな経験を積み重ねてきたから、人生や人の奥深さを理解できるようになったのです。
特に大人は、人に対して優しく接する人が多いです。
つらい失敗に対しても、大人たちはにっこりほほ笑み、寛大な目で見てくれます。
私が以前失恋してしまったとき、母はとても優しかったのを覚えています。
普通なら「何をやったの? どうせそうなると思っていた」なんていう一言が飛んできそうです。
しかし、母は特に偉そうなことは何も言わず「まあ、そういうこともあるでしょう」と、優しかったのです。
これが、痛みを経験している人の、優しさです。
母も私と同じく失恋した経験があり、どのくらいつらく痛いことなのか理解しているため、優しく接してくれたのです。
傷ついた人は、それだけ人に対して優しくなれます。
傷がある人は、それだけ輝いている人です。
ダイヤモンドがあれほどきれいに輝いているのも、表面にたくさんの傷があるからです。
傷つけば傷つくほど、人として輝いていきます。