この世で最も不運なことは何か。
それは、すごい人にあっさり会ってしまうことです。
すごい人にもかかわらず、タイミングがよかったり偶然が重なったりして、あっさり会えてしまうことがあります。
「あっさり会えていいではないか。ラッキーなことではないか」
そう思うかもしれませんが、ここに落とし穴があります。
たしかにその瞬間は幸運に感じますが、長期的に考えると事情が変わります。
あっさり会えてしまうことにも弊害があります。
すごい人にもかかわらず、努力も苦労もなく簡単に会えてしまうと「出会いのありがたみ」が薄れます。
これは心理的な作用です。
簡単であればあるほど、出会いのありがたみも薄れていくのが人間です。
簡単に会えると、無意識のうちに相手を安易に見てしまいがちです。
本来は、すごい人に会えることは奇跡的なことですが、簡単に会えてしまうと台無しです。
希少なことなのに「希少感」も下がります。
奇跡的なことにもかかわらず「奇跡感」が薄れます。
「簡単に会えた。簡単に会える人なんだね」と思うと、相手の価値が下がります。
心の中で無意識に相手を軽んじてしまいます。
せっかくの奇跡的な出会いが台無しになるのです。
これほど気の毒なことはありません。
だから、すごい人に会ってしまうことは、この世で最も不運なことです。
本来すごい人と会うためには、手間暇がかかります。
お金がかかることも少なくありません。
苦労も努力も必要です。
それでいいのです。
出会うのが大変だからいいのです。
出会うまでに手間暇をかけて苦労しますが、だからこそ会ったときの感動に変わります。
相手のことを大事にしようと思います。
「手間暇をかけたかいがあった」と思う気持ちが「この出会いを大切にしよう」という気持ちに転化されます。
貴重な出会いを、ますます大事にできるのです。
奇跡の出会いを、本当の奇跡の出会いにできるのです。
すごい人と会うにはお金も時間もかかりますが「これは普通のことだよね」と思うことです。
すごい人と会うために手間暇をかけるのがいい。
そして、お金や手間暇をかけたほうが、出会いをさらに素晴らしくできます。