「口癖に注意しよう」
そう思ったとき、自然と会話に消極的な心理が働く傾向があります。
自然と自分から話しかけることが少なくなり、会話量も減ってしまいます。
「口癖を言うかもしれないから、会話は控えめにしておこう」という心理が働く。
たしかに話すことがなくなれば、口癖を言うことも減るでしょう。
話すことが増えれば増えるほど、口癖を言う確率も高くなります。
話すことが減れば減るほど、口癖を言う確率も下がります。
口数を増やすより減らしたほうが、口癖が出ることも減るでしょう。
口癖を直そうとすると、いつの間にかコミュニケーションから逃げようとすることが少なくないのです。
しかし、ここが注意ポイントです。
安易に会話の機会を減らすのはよくありません。
「会話の機会が減る」ということは「口癖を直す機会も減る」ということになります。
口癖が出ないだけで、きちんと口癖が直ったわけではありません。
直ったのではなく、直ったような気がしているだけです。
口癖を直すには、体に覚えさせる必要があるため、会話が不可欠です。
癖を直すためには、触れる機会を増やしていくことが必要です。
たとえば、野球でバッターがスイングの癖を直そうと思えば、練習しながら直していくしかありません。
バットを振って、振って、振りまくる。
大量の練習をこなしていくうちに、少しずつ新しいスイングの動きを体が覚えます。
最終的に意識しなくても、新しいスイングができるようになっています。
口癖も同じです。
口癖を直そうと思えば、会話をしながら直していくしかありません。
話して、話して、話しまくる。
大量の会話を交わしていくうちに、少しずつ言葉の癖が直っていきます。
最終的に意識しなくても、口癖を言わないようになっています。
会話の機会なくして、口癖は直せません。
したがって、口癖を直すなら、会話の機会を減らすのではなく、むしろ増やしていくことが大切です。
失敗を恐れず、積極的に会話の機会を増やしていきましょう。
会話、会話、また会話。
うっかり口癖を言ってしまったら、すぐ言い直せばいいだけです。
相手を不快にさせてしまったときは、すぐ謝ればいいこと。
うっかり口癖が出ることがあってもいいので、どんどん会話をする機会を増やすことです。
体が覚えるまで、大量の会話を経験していきましょう。
会話の機会が練習の機会になります。
普段の会話こそ、口癖を直すトレーニングなのです。