ある話し方を心がけるだけで、劇的に会話力が向上する点があります。
それは「具体的な話し方」です。
抽象的と具体的の違いについて整理します。
抽象的とは、概念・一般論・共通項など、明確な内容に欠ける様子を言います。
具体的とは、曖昧な部分がなく、細かいところまで細かく取り上げる様子を言います。
抽象的より具体的な話し方のほうがわかりやすく、相手の心に響きやすくなります。
どちらも会話に登場しますが、会話のわかりやすさに影響するので、意識して心がけておきたいポイントです。
会話が下手な人は、抽象的な話し方が目立ちます。
もちろんプライバシーへの配慮で、あえて抽象的に表現したほうがいい場合もあります。
プライバシーに関する場面では、発言を慎んだり言葉を濁したりなど、抽象的な表現が適切でしょう。
しかし、会話が下手な人は、場面に関係なく、いつも抽象的な話し方になっています。
たとえば、旅行に行った話をするとき、次のような言い方をします。
「アメリカに旅行した。景色がきれいで感動した」
アメリカのどこへ旅行に行ったのかわかりません。
どんな景色を見て、どうきれいだったのかわかりません。
「感動した」という表現もありきたりです。
ツアーなのか、一人旅なのかも不明です。
話し方が抽象的だと、場面を想像しにくくなります。
曖昧な部分が多いと、実感も湧きにくいため、心に響かないのです。
会話が上手な人は「話し方が具体的」という特徴があります。
旅行に行った話をするとき、詳細をわかりやすく話します。
「社員旅行で、アメリカのグランドキャニオンに行ってきた」
「100以上の巨大な崖が、視界に入りきらないほど広がっていて鳥肌が立った」
「感動して涙が出た。もう一度行きたい!」
具体的な地名や数字があると、想像しやすくなります。
表現が生々しいと、細かく描写しやすくなるので、実感しやすくなります。
テレビの名司会者を思い出してください。
テレビの名司会者は、必ず話し方が具体的です。
具体的だから話が面白くなり、人気を集めています。
すべての内容を具体的にするのは難しいですが、少しでも具体的にするなら、今すぐでもできるはずです。