自分の体とは、誰のものか。
やはり、自分のものと考えるのが当然でしょう。
ところがもう少し深く考えると、別の事実が見えてきます。
「自分の体は自分のもの」と言いましたが、では、自分がゼロから作ったのでしょうか。
いいえ、そうではありませんね。
自分の体は、ゼロから自分が作ったものではありません。
ゼロから作るのは無理です。
いきなりあなたが、この世に誕生したわけではありません。
自分の体は、親からいただいたものです。
親の精子と卵子が結合して、あなたの遺伝子が生まれました。
遺伝子によって細胞分裂を繰り返し、タンパク質が生まれ、あなたの体が形成されていきました。
その結果、骨が形成され、皮膚ができ、髪が生え、爪が伸び、顔かたちが整っていきました。
そのためあなたは、父に似ているところもあれば、母に似ているところもあるでしょう。
体の一部に不満もあるかもしれませんが、よしとしましょう。
体があるだけで、十分です。
さて、親の体もまた、両親がゼロから作ったものではありません。
親には、さらに親がいます。
その親にも、さらに親がいます。
途絶えることなく、数多くの命のバトンをつないで、その最前線にあなたの体が存在します。
宝物はどこにあるのか。
それはあなた自身なのです。
あなたの体自身が、素晴らしい宝物です。
あなたの体は、ご先祖様から一度も途絶えることなく代々受け継がれてきた結果です。
自分の意志で体を動かせるのは、素晴らしい乗り物に乗って操作しているのと同じ状態です。
環境の変化にうまく適応しながら、今の自分の体が存在しているのです。
その事実に感謝しながら、今日も自分の体を大切に扱いましょう。
宝物を、すでに手にしているのです。