企業の調子は、売り上げ・経常利益・販売実績などから判断するのが一般的です。
好調な企業なら「きっとこの先も、ぐいぐい成長していくだろう」と期待するのではないでしょうか。
好調な企業に入社できれば、仕事も安定して、収入も上がるような気がします。
しかし、ここが危ないのです。
今は好調でも、今後はわかりません。
好調な企業も、何らかの影響を受け、不調に陥ることがあります。
自社ビルを購入したことがきっかけで、負債が増え、経営が傾くことがあります。
取引先が倒産することで、自社の経営に大きな悪影響を及ぼすことは、よくある話です。
逆に、不調だった企業が、何らかの事情で、好調に転じる可能性もあります。
同業他社が倒産したことがきっかけで、一気にシェアを伸ばすこともあります。
社長が交代したことがきっかけで経営が改善され、業績が回復に転じることもあります。
業界は、さまざまな企業の関係で成り立っているため、1社の状態だけで判断するのは、難しい。
何が起こるかわからないのが、世の中です。
大切なことは「好調な企業が、優良とは限らない」ということです。
現在の企業の状態だけを見て判断するのは、注意が必要です。
企業の経営状態は、参考にはなりますが、過信しないことです。
「好調な企業」と期待しすぎるより「今のところ好調な企業」という冷静な見方のほうが、正しく判断できるでしょう。
企業の将来性は、自己責任のもと、慎重に見極める必要があるのです。