会社で、Aさんに電話があったときのことです。
Aさんは不在で、電話があったというメモを残しました。
あなたは、次のようなわかりにくいメモを、残していないでしょうか。
「伊藤さんから電話がありました」
問題なさそうに見えるメモですが、これが問題ありなのです。
どの伊藤さんか、わからないからです。
同じ名字の人が何人かいる場合、どの人を差しているのかわかりません。
友人の伊藤さんか、取引先の伊藤さんか、上司の伊藤さんか、わかりません。
突然、人の名前を出していませんか。
次のように言い換えればいいのです。
「○○商事の伊藤さんから電話がありました」
「○○商事の伊藤さん」という限定的な言い方をすれば、誤解がなくなります。
固有名詞を使う際には、名前の前に、一言でかまいませんから説明を加えることです。
誤解をなくすためだけではありません。
固有名詞に対して知識のない人でも、わかるような説明を加えます。
たとえば、次のような例もありますので、ぜひ参考にしましょう。
「アインシュタインは」
↓
「相対性理論を打ち出したアインシュタインは」
「愛媛県では」
↓
「ミカンで有名な愛媛県では」
「夏目漱石は」
↓
「『我が輩は猫である』『こころ』などの文学作品で知られる夏目漱石は」
いかがでしょうか。
アインシュタインが相対性理論で有名なことは、社会人は知っていても、小学生は知らないかもしれません。
私は愛媛県出身ですから、ミカンで有名なことを知っていますが、ほかの県の人たちは知らないかもしれません。
文学に興味のある人は夏目漱石について知っていても、興味のない人は知らないかもしれません。
固有名詞の前に説明を加えることで、知らない名前が出てきても、話についていけるようになります。
わかりやすく説明をしたいときには、ぜひ、取り入れたいテクニックです。