説明書がつまらないのは、順番がきれいすぎるからです。
1.はじめに~から引き出します。
2.次に~をします。
3.最後に、~を取り込みます。
1、2、3という説明が、きれいに順番どおりに整っています。
間違ってはいませんが、順番が整いすぎて、気持ち悪いのです。
ロボットのようで、人間が書いた説明書なのに、人間らしくないからです。
説明書が面白くないのは、そうした「きれいに整いすぎているところ」です。
説明書のいいところでもありますが、悪いところでもあります。
逆にプロのスピーカーは、話す前にあらすじを考えていても、必ずしもそのとおりには話しません。
話をしている途中で、別のことを思い出したり、感じたりしたことで、話を脱線させていきます。
気持ちの流れに沿って話をすると、聞く側も聞きやすくなります。
では、先に挙げた説明を、今後は「気持ちの流れ」に沿って説明してみましょう。
「はじめに~から引き出します。
私は以前、ここで指を挟んだことがあったので、注意しましょう。
次に~をします。
小学生でもできました。簡単ですよ。
最後に、~を取り込みます。
まさに有終の美を飾るところです」。
気持ちに添った説明のほうが、面白おかしく、具体的に説明できます。
「以前、ここで指を挟んだことがある」という体験談を持ち出すと、具体的になります。
お互いに人間なのですから「順番の流れ」より「気持ちの流れ」のほうが、すっと頭に入ってきます。
ロボットにはデジタルのほうがわかりやすいでしょうが、私たち人間は、アナログのほうがわかりやすいのです。