人付き合いが下手な人は、絶対嘘をつこうとしません。
「嘘は絶対ダメ」
「嘘をつく人は不誠実」
「どんなことがあっても、正直でなければいけない」
もちろん基本的に嘘がよくないのは間違いありません。
できるだけ嘘は避け、正直でいるほうが、人付き合いもスムーズになるでしょう。
しかし「嘘はすべて悪い」と決め付けるのも早計です。
時として正直であることが、人付き合いの摩擦を生むこともあります。
サンタクロースを信じている子どもに「サンタクロースの正体は親」と暴露するのは夢がないでしょう。
作ってもらった食事がおいしくないとき、正直に「まずいね」と言えば、相手を傷つけます。
余命が短い人に「残り時間が少ないですね」という一言は、あまりにデリカシーがありません。
本音が素晴らしいとは限らず、相手を傷つけることもあります。
時には嘘も必要です。
嘘をつかないことは大切ですが、上手に嘘をつくことはもっと大切です。
人付き合いが上手な人は、上手に嘘をつきます。
基本的に正直を心がけますが、正しい発言が夢や希望を奪うなら、上手に嘘をつきます。
たとえば、サンタクロースを信じている子どもに「サンタクロースが楽しみだね」と言います。
サンタクロースへの期待が高まり、子どもをわくわくさせるでしょう。
おいしくない食事であっても、相手の気持ちを考え「おいしかったです」と言ったほうがいい場面もあります。
余命が短い人には「必ず治る。1年後、一緒に旅行に行こう」と約束をすれば、希望の力で奇跡が起こるかもしれません。
嘘は嘘でも、よい嘘です。
相手を元気にさせる嘘は、夢・希望・生きる力を与え、相手を幸せにするのです。