出会いには、夜より朝です。
同じ出会いといっても「朝に出会った人」と「夜に出会った人」とでは全然違います。
まったく質が異なると思ってください。
いけないのは「人」ではなく「状況」です。
夜の出会いは、その場で終わりやすくなります。
夜はすべてが「もやもや」しているからです。
夜は「闇の時間」「ごまかしの時間」「中途半端な時間」です。
周りが暗いので、相手がはっきり見えません。
暗い中で「かっこいい、美しい」と思って口説いた相手は、朝になると「え? こんな顔だったの」と驚いて引いてしまいます。
夜にする会話は、日中の疲れもあって、悪い内容に偏りがちです。
愚痴・不満・悪口に偏りがちです。
普段はそういうことを話さない人でも、日中の疲れがたまっていると、うっかりそういう会話に偏ってしまいます。
さらに、お酒が入っていれば、もやもやはさらに加速します。
酔った勢いで話が盛り上がった分、あらゆる会話はすべてが軽くなります。
お酒が入った状態の会話は、お互いが自制心を失っているので、往々にして冗談なのか、本気なのかわかりません。
「君のことが好きなんだ」という言葉は、本気のようにも聞こえ、冗談のようにも聞こえます。
夜にした約束も、本気か冗談かわかりません。
朝になると「あのときの約束は冗談」となってしまい「嘘つき」と言って、揉めます。
夜の勢いでした話は、朝になって「何であんなこと言ったんだろう」と自分が恥ずかしくなります。
夜の盛り上がりは、まやかしです。
しかし、朝は違います。
朝の出会いに、ぼやけた様子はありません。
邪気が取り払われ、正常な頭の回転です。
正しい判断ができ、きちんと理解ができます。
そこでの出会いこそ、本来の出会いです。
朝に出会った人とは、もやもやした部分がないので、きちんとしたお付き合いができます。
しらふに出会った人とうまくいく人は、たとえ昼でも夜でもうまくいきます。
朝に見た顔こそ、本当の顔です。
朝にした会話こそ、本当の会話です。
朝にした約束こそ、きちんとした約束です。
夜に出会った人とはその場で終わりますが、朝に出会った人とは一生つながるのです。